baselineReview/Movie

おおかみこどもの雨と雪

《2013-12-21》   
 先日の金曜ロードショーで細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』をやっていた。
 実は私、映画も見ててついでに小説も読んでいるのだけど、どうしてもこの作品を積極的に評価することができない。
 『時をかける少女』(は矛盾あるけど)、『サマーウォーズ』とあれだけ緻密なシナリオを立ててて登場人物の葛藤描いてたのに、おおかみこどもはどうも色々と詰め込んだせいか妙にトントン拍子すぎて、そのあたりが気になる。前述の『サマーウォーズ』で私がすごく評価してるのは、登場人物が多いのにその役割分担が明確で各人に見せ場たるものがある点なんだけど、『おおかみこども』に関しては結局花の話を書きたかったのか雨なのか雪なのか、後半ではそれぞれのシナリオがほとんど交差せず(特に雪が)、エンディングが一点に収束しておらず中途半端な終わり方なように思えて仕方がないのだ。
 映画館で見た直後に友人と話をしたのだけど、一言「三人分の十三年間を描くには尺が足りない」としか思えなかった。
 とはいえ、映像の綺麗さ(特に家を修繕している時のガラスの描写等)は素晴らしく、細田守氏も好きなので次もぜひ頑張って欲しい。



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