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PSP「探偵オペラ ミルキィホームズ」(ブシロード)

《2011-01-19》   
[ADV]

PSPミルホのミステリ分は、ミステリ読みからしたらそう難しい謎でないにしても、それなりに面白かったと思う。 ただ調査時のポイント指定や選択肢の判定がファジィというか、とても推測できる要素ではないことが時たまある。 その点はマイナス。大ミスさえかまさなきゃ大丈夫らしいが。 基本的に『事件発生→調査パート→疑問点を挙げるパート→追い詰めるパート』という形になっており、 そのどこかに敵を追いかけたりするパートが挿入される。それで一話。

全部で五話+最終話の構成なのだが、結構短い。 すべての声を聴いていても、多分10時間あれば余裕でコンプできる程度。 フルボイスやちょくちょく挿入されるアニメーション、各話に入れられるOPとEDなどと、 アニメを意識した構成はなかなかいいと思う。 特に最終話はアツい。

ただし、あのアニメのようなノリを期待して購入を考えるのはやめたほうがいい。 犯人を追いかけるパートでは、ミルキィたちが自らのトイズ(能力)を使って危機を乗り越える。 ほぼアニメーションで起こるイベントなのだが、アニメに気を取られていると高確率でミスする。 このあたりのシステムは意外と面白かったが、もう少しアレンジ加えてくれても構わないかなと思った。

キャラクターはアニメとは大違いである。 特にミルキィたちのキャラクターは、エリー以外ほぼ別と考えてもらって構わない。 エリーは比較的変わってない。 G4側は心衣ちゃんはともかく、咲も優遇されているように思えた。 主人公である小林オペラのキャラクターも、案外良かった。

某ミス研の末席を汚してる身としてはミステリ面についても触れなければならないだろう。 犯人を推理で追い詰めるパートで、ミルキィのメンバーがひとり一つずつ「無視できない点」を挙げていく。 それは主人公の推理を強調・裏付けするファクターなのだが、その挙げ方は結構上手いものがある。

シャロ・ネロ・エリー・コーデリアのミルキィの四人、 それぞれひとりのファクターだけならば「偶然」などと片付けられるものが多いのだが、 それが四つ集まることで疑問点を大きく際だたせることに成功している。 それと、そのファクターから導きだされる推測もなかなかに怜悧であったと個人的には思う。
これは重要なファクターだ。

「ミステリでの超能力の是非」「ミルキィと小林、どちらが(も)探偵か?」「トイズは本格における何にあたるか」 など、本格ミステリとからめて、ミルキィホームズを語りたいとも思ったけれど、それはまた別の機会にでも。

コーデリアさんマジ可愛い。

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